【賃貸建物の構造の基礎知識】

賃貸物件の建物は、木造・鉄骨・鉄筋と大きく3つに分かれています。この建物の構造は、建物の階数によって決定されることが多くあります。
高層建物は鉄筋コンクリート造、階数が6階以内なら重量鉄骨造、2階程度なら軽量鉄骨や木造で建てることが一般的です。
最近は外観が相当立派でエントランスも重厚なマンションでも5・6階建てなら重量鉄骨で建てられることが多いと思います。

建物と上下左右の世帯との「音」については別の項で記述してありますので、そちらを参考にしてください。ですから、鉄筋コンクリート系の建物を望むとかなり階数が高いマンションでないと無理です。

ここで申し上げたいのは「鉄筋」と「鉄骨」では全く異なるということです。鉄筋コンクリート造は、壁や柱や床が鉄筋という鉄の筋(スジ)の入ったコンクリートで造られている物です。そして「鉄骨」は柱や梁(ハリ)などの支柱物に鉄製の物を使っていますよという建物です。マッチ棒を鉄骨だと思って、立てて横にも組んでその外側に紙を張ったような物を想像してください。

木造構造は昭和の時代の「木造」と現代の「木造」では180度違います。
よく言われるような木造では音が漏れてしょうがないというのは、当てはまりません。

構造だけで音が決まる訳ではありません。尚、地震に備えようと思い鉄筋マンションに引越しをと考えるのは余り得策ではないかも知れません。阪神大震災などのような大きな地震では、タテゆれの時に建物が上に持ち上げられ、その後、瞬時に戻ります。この時の下向きに掛かる重力は重いもの程ハンパではありません。

縦ゆれには建物の自重が軽い方が有利なのは当然です。テレビで見て1階部分が潰れたり2階部分が潰れたりするのはこの上下にかかる重力に耐えられなくなりつぶれたものであることが明らかになっています。
この重量とは建物の階数に比例します。そして今、分譲マンションを始めとして鉄筋コンクリート造は軽く作る工夫を随所に凝らすようになりました。

【鉄筋マンションの音は大丈夫?】

建物の構造でも記述したように、「音」について上下世帯などの防音性に期待して鉄筋コンクリート造に住んでみるとビックリするかもしれません。コンクリート造の上下世帯の仕切りは「スラブ」と呼ばれる鉄骨プレート入りのコンクリート層で造られます。
最近は地震を考慮してこのスラブの自重を抑える為にかなり薄く作られる傾向があります。この結果、特別な防音を施していない限り、分譲マンションでも音漏れはします。、一般的な鉄筋コンクリート造の建物では、上下世帯の音の漏れについては、「上の住人のカーテンを閉める音も分かる!」というのが実情では無いかと思います。
しかし、左右世帯間については「音」は一番漏れにくいです。

【鉄骨造の建物は】

前にも記述のように鉄筋コンクリート造はこの後記述してある建てられる地域との関係もあり、またコストがかなり掛かり世帯数がかなり多くなければ採算が取れないなどの理由から鉄筋ではなく鉄骨で建てられているマンション・アパートが多くなっています。
鉄骨造は鉄筋コンクリート造と違い壁の中も上下の間にもコンクリートの層などは無く中は鉄製の柱やハリなど以外の大部分は「空洞」です。そして「鉄」の持っている特性から「音」に関しては、意外と不利となります。
建築基準法では共同住宅においては鉄骨造を推奨しています。それは「難燃性」が優れているからです。行政は住まう側の「音」などについては一切関知しませんが火災や震災などについては非常に厳しいのです。行政としては当然でしょう。

【木構造の住宅は?】

「木造」の建物については日本に古来からあるものですから「畳」とおなじで若い方には何か悪いイメージが先行しているような気がいたします。
しかし現代と昔では全く構造も違うので大きな誤解があるのも事実です。

昔の木造は和室中心の壁構造で部屋の壁沿いに柱の表面が出ているのが普通です。
これらの作りでは明らかに壁は無いのと同じです、柱と柱の間に壁塗りの為の薄い層を作るだけです。
もちろん古い賃貸物件にはこういった構造で部屋が仕切られている物件もまだまだ多く存在します。
トイレ・フロ共同の4.5畳和室で都心で2.5万円物件など専用風呂やトイレなどが付いていない長屋形式や昭和40年代後半くらいに建てられた物件までだと思います。

近代、特に平成の時代に入ってからの木造建物なら「大壁」といわれる壁の中に柱や間柱やハリを入れて隠してある建物が殆どだと思います。
間取りで〔1K〕や〔3DK〕などになっていればソレのはずです。
この「大壁」形式は鉄骨を使わないで木柱を使う「鉄骨造」と同じような組み構造です。
また、木構造の種類の中にも「ツーバイフォー構造」などもあり、これは鉄筋コンクリート造などよりも地震に強い、モノコック構造となっています。
ヨーロッパや北米の住宅から日本に導入された洋式です。

そして木構造には、木の性質上、 現在、共同住宅の場合、消防法などに厳重に指導されて初めて建てることができるようになっています。
旧来の木造建築物は現代の消防法にそぐわない為に大幅に厳しく見直された規制により現代の賃貸の木造住宅は壁の中に防燃材を詰めたりや直接に内装壁を仕上げる防火ボード板を2重に張らなければ建築許可が下りなくなっています。

その結果、意外な効果として内装壁で世帯が仕切られる木造賃貸住宅などは片側2重に張られたボードは両側合わせて4重になり、中も充填されているので、昔の木造とは比べようもないどころか、明らかに鉄骨造の建物より音の漏れは少なくなります。

では鉄骨造は何故、音が漏れるのでしょうか?
火に強い「鉄」を使う構造なので行政指導の消防がとても甘くなり、その結果、壁内は割とスカスカな部分が多くなり、仕上げボードも1枚張れば良いことになっています。
この結果、意外なことに木造よりも世帯間での音は漏れやすくなってしまうのです。また、「鉄」の性質により上下間の音の振動はさらに強調されることもあります。

【音について有利な物件とは?】

世帯間の音について、今までの簡単な説明で上下世帯についてはどれも同じというような結果となります。
つまるところ 共同住宅では直接にお隣と隣接しない壁を持つ賃貸物件が一番有効かと思います。
全室が角部屋の間取りで隣と間取りが「反転しているもの」などです。「中階段タイプ」などとも呼ばれています。
このタイプは明らかにお隣との「音」について有効な手立てを考慮した間取りです。

例えばこのような物件です。【お問い合わせ番号:HO3】
また邪道ではありますが、賃貸物件には1Fがテナントなどのお店が入っていて夜は営業していないトコロの上にあるお部屋などは下が無人となるので気を使わなくても良いなどの利点もあります。また極端に世帯数が少ない物件で上下2世帯だけというものもあります。お隣は四方面ありませんので、全方向角部屋とも呼ばれています。

【建物の高さと地域・環境は密接な関係です】

駅を降りて目の前に広がる景色が高層ビルや商業ビルが建ち並んでいるトコロは賃貸物件もマンションが多いハズです。逆に駅を降りて目の前が低層建物が目立つとしたらその地域はアパートが多いハズです。建物と地域・住環境は密接に結びついています。建物はその地域によって、どのように建てて良いかがある程度決められています。都市計画法という法律によってその土地の利用法があり、建物の高さや土地に対しての建築物の面積や容積など細かく規定があります。もっとわかり易く説明すると道路が広く片側多車線のような地域は建物が高く密度も濃い建物を建てられるようになります。(都心などでは建てなければならなくなります。)そして未だ緑も多く残る通りや町並みに比較的小規模なな個人店舗が並ぶような地域は行政による大規模な駅前開発や大通りでは無いために高い建物が建てることができないようになっています。高い建物が建つ地域には高い建物を建てることしかできず、低い建物が建つ地域には低い建物しか建てることしかできないのです。

番外編 【防犯について】

賃貸物件に限らず最近は、留守中の家を守る意識は以前に比べてかなり高まってきていると思います。 賃貸物件においては特に留守中のことを考えて、予防策を実行している方が増えてきています。一時ピッキングが超有名になりカギを変えたり2重ロックにしたりと流行のようにもなりましたが、最近はガラス窓を音を立てずに切り鍵を開けて進入する手口が大変多く主流になりつつあります。

【対策方法1】
マンションなどのように雨戸やシャッターが付いていない掃き出し窓には予防策が必要です。 予防法は簡単です。「サッシ防犯用透明フィルム」というものがホームセンターなどで売られていますが、その中でも厚いフィルムのものが退出時にも剥がれやすく、また防犯性もよくなります。これをサッシ中央部分のカギ付近30センチ以上を両側ともに張るとそれ以外のところを割られたとしても手がカギに届かないように位置を決めてください。またサッシの下などにもうひとつカギが付いているものがある場合はソレも閉めておいた方が良いのは当然です。

【被害の多い部屋】
ピッキングの被害が多いのは建物の最上階です。一番被害が無いというかピッキング不可能なのが1階です。賃貸物件の場合はどの階の住人でも1階を通過します。
通らなくても確実に1階通路が見えたりします。ということは一番人が目にするところですし前面道路からも見えるので人目に立ちたくない「作業」をするには一番敬遠されるのでしょう。最上階はその反対です。

【対策方法2】
また、空き巣などの窃盗事件が多発するお部屋は皆、共働きなどの留守がちなお部屋が圧倒的に多く、かなり周到に下調べをした上で、窃盗に入っているようです。
対策としては、入られる時間帯は秋冬の4時半〜6時位が多いのですが、無人でもタイマーで、お部屋の一部の電気が点灯したり、テレビが点いたりするようにしておくのも良いと思います。